トップページ/受賞 農学研究科の川嶋隆之介さんが日本食品科学工学会で企業賞を受賞
受賞者 |
川嶋隆之介さん(農学研究科農学専攻修士課程2年、加藤雅士教授?志水元亨准教授研究室)
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受賞名 |
日本食品科学工学会 第72回大会 企業賞
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受賞日 |
2025年8月27-29日
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受賞テーマ |
美味しい米粉パン製造になぜ野生酵母が必要なのか -野生酵母の発酵特性の解明-
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日本食品科学工学会が主催する第72回大会において、川嶋さんが、優れた発表を行った学生に贈られる「企業賞」を受賞しました。 米粉パンは、健康志向やアレルギー対応の観点から注目されているグルテンフリー食品の代表例であります。小麦パンに代わる有用な選択肢として米粉パンの市場が拡大しています。しかし、米粉パンは膨らみにくく、パサつきやすいという課題を抱えており、その改善は食品開発における重要なテーマとなっています。 今回の研究では、学内農場で採取したカーネーションの花から単離した野生酵母「MC87-46」に着目しました。この酵母を用いてグルテンフリー米粉パン専門店「Bakeshop SolSol」と共同で米粉パンを製造したところ、保水性が高く、香りや食感にも優れたパンが得られました(その結果、第2回おいしい米粉パンコンテストで最優秀グランプリを受賞)。 さらに、東北大学青葉山キャンパスにある次世代放射光施設「ナノテラス」の硬X線ビームラインを利用し、MC87-46を用いた米粉パンと、一般的なパン酵母を用いた米粉パンの内部構造を比較しました。その結果、MC87-46で発酵させた米粉パンではより大きい気泡が生成し、2つのパンには構造的な違いがあることが明らかになりました。 この研究結果は、米粉パンの品質改善につながるとともに、グルテンフリー食品の新たな可能性を広げるだけでなく、国産米の利用拡大を通じて農業の持続可能性や食料安全保障にも寄与することが期待されます。
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