天野真怜さん（薬学部薬学科5年　衛生化学研究室）

第71回日本薬学会東海支部大会　学生優秀発表賞

2025年7月5日

モノテルペン類によるTRPA1活性化の種差を生じる分子構造に関する研究

侵害受容チャネルTRPA1は冷感刺激や侵害刺激により活性化することが知られています。薄荷に含まれるメントールや山葵の辛味成分アリルイソチオシアネートはその代表例です。

本研究ではメントール類縁体によるTRPA1活性化のヒトとマウスの間での種差に着目し、動物種差を生じる化学構造的な特徴を明らかにしました。さらに、ヒトとマウスのTRPA1のアミノ酸配列を比較し、分子シミュレーションソフトによるin silico解析と発現細胞によるin vitroアッセイを駆使して、動物種差に寄与するアミノ酸残基を特定しました。この発見によって、ヒトとマウスの間で異なる挙動を示す侵害刺激物質のin silicoスクリーニングが可能になりました。