トップページ/英国威廉希尔公司_威廉希尔中文网站 ビリニュス大学(リトアニア)歴史学部のキリンスカス准教授が都市情報学部で講義

バルト三国のリトアニアの第二次世界大戦後から現在に至る歴史を解説

リトアニアの歴史を解説したキリンスカス准教授 リトアニアの歴史を解説したキリンスカス准教授

ビリニュス大学(リトアニア)歴史学部のケーストゥティス?キリンスカス准教授が6月4日、ドーム前キャンパスで行われた都市情報学部の稲葉千晴教授が担当する講義「都市と国際関係」でゲスト講師として登壇し、受講する約80人の学生に「1945年~2025年のリトアニアの歴史」をテーマに、ソビエト連邦の支配下の社会の状況やソ連からの独立を勝ち取った経緯、常にさらされているロシアからの脅威に対する外交施策など、第二次世界大戦後のリトアニアの歴史の流れとポイントを解説しました。

「リトアニアは西ヨーロッパの一員」「ロシアは安全保障上、最大の脅威の国」と強調

  • 講義の様子 講義の様子
  • 「リトアニアは西側諸国」と説明 「リトアニアは西側諸国」と説明

近代史や軍事史を研究するキリンスカス准教授はまず、バルト三国のいちばん南に位置するリトアニアの「基本情報」として、「何百年もロシアの支配下にあったが、宗教はカトリック、言語は特別言語であるバルト諸語のリトアニア語で、ロシア正教でスラブ語のロシアとは全く文化が違う。リトアニアは西ヨーロッパの一員」と強調。そのロシアは「バルト三国の不凍港を求めて圧力をかけてくる国。安全保障上、対抗していかなければならない存在で、最大の脅威の国」と断じました。

1918年にロシアから独立を果たしたものの、1940年に再びソ連に併合され、第二次大戦後の1945年にはソ連の一共和国になったリトアニア。キリンスカス准教授はソ連がリトアニアで行った施策として①エリート層のシベリア強制収容所送り②土地の国有化と集団農場化③産業の近代化-を挙げ、特に集団農場化について「農民は土地を奪われて農場で働かされ、収穫した作物も国に取り上げられて穀物不足?食料不足になり、大きなダメージを受けた」と指摘しました。

キリンスカス准教授は「1980年代になると社会全体が困窮したソ連は社会主義政権内から改革の動きが出たものの、独立を求めるバルト三国では100万人が手をつないで歌を歌った『歌う革命』で独立の機運がより高まり、1990年3月に独立を宣言し、ようやくソ連軍が撤退した1993年に本当の独立を勝ち取ることができた」。一方で「西側諸国に比べて工場の生産性が劣るなど、すぐに資本主義社会のシステムに適応できず、独立から10年ほどは経済的に非常に苦しい状況に追い込まれていた」と振り返りました。

「ロシアはリトアニアの安全を脅かしているが、私たちは絶対に勝つ」

もう一つ直面したのが「ロシアの脅威からどのように独立を守っていくのか」という問題で、キリンスカス准教授は「2004年にEU(欧州連合)、NATO(北大西洋条約機構)に加盟し、経済的にも安全保障でも西側諸国のグループに入った」と説明。2022年2月のロシアのウクライナ侵攻後には「NATOの東側の脅威が急激に増えて加盟国の軍隊が増強され、米軍も駐留するようになったため、ロシアは社会を混乱させる活動をリトアニアの国内外で行い、安全を脅かしている。しかし、私たちは絶対に勝つ」と力を込めました。

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